お金

美容院開業にまつわる「お金」のこと。開業資金や助成金、補助金について

美容院を独立・開業するときに、まず考える必要があるのが「お金」のこと。
いったい美容院の開業にはどのくらいのお金がかかるのでしょうか?

また、資金が足りない場合には、補助金や助成金を申請するという選択肢があります。このような申請にはどのような手続きが必要なのでしょうか。

今回は、美容院開業にかかる資金の相場や、美容院の開業に必要な費用の目安と資金調達などについて、具体的な方法を、融資を受ける際のポイントと併せてご紹介していきます。

美容院(ヘアサロン)開業にはいくらかかる?

項目 費用合計 内訳
物件にかかる初期費用 480万円
(保証金12ヶ月計算)
保証金(敷金):家賃の6~12ヶ月分

礼金:家賃の1ヶ月分

仲介手数料:家賃の1ヶ月分

前家賃:家賃の2ヶ月分

内装工事費用 750万円
(坪単価50万円計算)
坪単価30万円~50万円(内装工事業者の目安相場)

15坪(従業員2~3名程度の小規模想定)

設備および消耗品 300万円 美容院設備(セット椅子・シャンプー台・スチーマーなど)

備品・消耗品(パソコン・洗濯機などの備品や、シャンプー剤・カラー剤などの消耗品)

店舗運転資金 400万円 従業員の人件費、宣伝・広告費用など
開業資金合計 約2,000万円
上記を見ると、美容院の開業資金は大きく、「物件取得費用」「内外装の工事費用」「設備および備品・消耗品などの費用」「店舗運転費用」という4つに分けることができます。ここからは、それぞれについて、詳しく解説していきます。

物件取得費用

まず、開業するには店舗が必要なため、物件取得費用がかかります。
物件の取得費は、美容院を開業する場所の立地条件によって異なり、都心の一等地で開業する場合と、地価の安い地方で開業する場合で大きな差が生じます。
平均相場の家賃30万円の物件を借りると仮定すると、前家賃と敷金・礼金・保証金・手数料を合わせた物件取得費用は480万円程度が目安です。

工事費用

物件・店舗の確保ができたら、次は店舗の内装と外装を整えるための工事費が必要です。
工事費用は利用する業者によって見積り額が異なりますが、内装工事費用としての相場は坪単価30万円~50万円が目安となります。
小規模な個人経営店であれば10坪程度で営業を行っている店舗もありますが、スタッフを雇って数人で運営する場合は15坪以上がひとつの目安とされています。
例えば、15坪程度の店舗で50万円の内装工事費用がかかるとしたら、750万円見積り額が基準となるでしょう。

設備および設備・消耗品費用

外装工事と内装工事を経て店舗が完成したら、次は美容院として開業するのに必要な設備関係をそろえなければなりません。
美容院の設備はセット椅子やシャンプー台・スチーマーなどの美容器具だけでなく、パソコン・洗濯機といった家電製品などの設備。シャンプー剤・カラーリング剤といった消耗品も含まれます。
その他にも、雑誌やインテリア関係など様々な費用がかかります。

店舗運転費用

店舗を運営するためには運転資金として様々な費用が発生します。
例えば、従業員を雇うと人件費がかかりますし、お店のホームページやチラシなど宣伝広告費などもかかります。
美容院を開店させた後も経営が軌道に乗るまでの運転資金として、400万円程度を目安として考えておくといいでしょう。

開業資金が足りない…。そんなときは?

美容院を開業するのにこれだけ多額の資金が必要になると、簡単には独立できないのではないかと考えてしまいます。
一般的な規模の美容院で2,000万円と概算される開業資金を全額自己負担するのは難しいと思う人もいるかもしれません。そこで、次に考えなければならないのが、開業の資金調達です。
実際には美容院を開業した人の大半は融資や補助金・助成金を上手に利用し、自己資金の不足を補いながら開業資金を調達しています。
ここでは、資金調達方法として、「銀行からの融資」「自治体からの融資」について解説していきます。

銀行からの融資

融資というとまず「銀行からの融資」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか?
しかし、銀行からの融資は、そう簡単に受けられるものではありません。
銀行の融資は審査や規定がとても厳しく、開業したばかりで経営実績がない個人がいきなり銀行から信用を得て融資を受けるのは困難であることがほとんどです。
独立して自分の店を開業しようという場合には、銀行からお金を借りて開業資金を調達する方法は現実的ではありません。

補助金

補助金とは国の政策を推進するために、企業活動を活発化させ、政策目標の実現のために給付する資金のことです。
助成金との違いは予算が設定されているため、予算がなくなった時点で補助金の給付が終了になることです。補助金は、給付対象となる企業が受け取ることができます。
主に中小企業を対象にした支援策として給付されます。補助金には返済義務がなく、給付金として全額受け取ることができます。

助成金

助成金とは、国や地方自治体が企業活動を支援するために支給する資金のことで、返済する必要がありません。
補助金と混同されがちですが、補助金は年度ごとの予算によって支給額が決められているため、予算がなくなると支給を受けることができなくなります。助成金は、予算に左右されることがありません。助成金支給の要件を満たしているなら、審査を受けることで支給対象となります。

制度融資

制度融資とは、都道府県や各市区町村などの自治体が、中小個人企業や開業予定者へのサポートを目的とした制度です。各都道府県の公的機関である信用保証協会が保証に付くため、原則連帯保証人無しで借りることができます。

制度融資は、銀行などが窓口(融資元)となり、自治体から預かる預託金を用いて融資を行います。制度融資は、自治体の管轄する地区に住む住民や事業所を置く企業が対象で、数多くの自治体が複数の融資を設けていますが、融資の内容や条件は各自治体により異なります。

美容院(ヘアサロン)開業のための助成金や補助金について

美容院を開業する際に活用したい補助金は、経済産業省が窓口となっているケースが多くあります。
ここでは、「創業促進補助金」と「創業・事業承継補助金」を例に挙げて紹介していきます。

創業促進補助金は、経済産業省の外局として設置された中小企業庁の出している補助金で、人件費や店舗借入費・設備費など創業に必要な経費の一部を補助することが目的です。

平成30年度に募集された創業促進補助金の補助額は1000万円が上限で、補助率は3分の2までとなっています。補助率が50万円を下回る場合は利用できませんので、申請の際には注意が必要です。
(参照:経済産業省中小企業庁|創業支援事業者補助金

同じく中小企業庁の創業・事業承継補助金は補助率が2分の1以内となっており、外部資金調達がある場合は200万円まで、ない場合は100万円まで補助されます。
(参照:経済産業省中小企業庁|創業・事業承継補助金)

中小企業庁にはこの他にも新たな需要や雇用の創出と経済の活性化を目的として実施される地域創造的起業補助金があり、資金調達の条件は創業・事業承継補助金と同様です。

その他には、一般的な美容院のように常時雇用する従業員数が20名以下の店舗では、小規模事業者持続化補助金も利用できる可能性があります。この場合は、補助額の上限が50万円で補助率も3分の2までとなっていますが、商工会議所の指導を受けられる点が経営上のメリットです。

複数の従業員を雇用する場合には、厚生労働省が実施している地域雇用開発奨励金が受給できる可能性も出てきます。地域雇用開発奨励金は支給対象者の人数に応じて助成額が変わるのが特徴です。

こうした国の行う補助金や助成金以外にも、全国の地方自治体ではそれぞれ独自の助成金を実施しています。

融資を受けるために知っておきたいこと

以上のような補助金や助成金で開業資金の不足分をカバーできれば理想的ですが、有利な条件の補助金や助成金ほど応募者が多いため通常は自己資金と合わせても十分な資金が確保できません。

そうした人でも不足する資金を何らかの手段で融資を受ければ十分な額の開業資金が準備され、経営も軌道に乗りやすくなるでしょう。

美容院開業で利用されている代表的な機関は、財務省が管轄する政策金融機関の日本政策金融公庫が挙げられます。
日本政策金融公庫には「普通貸付」「新創業融資」「生活衛生貸付」「中小企業経営力強化資金」という4種類の融資があります。簡単に、その特徴を紹介していきます。

普通貸付

普通貸付は4800万円を上限とする設備資金と運転資金の両方に利用可能な融資です。返済期間は設備資金が10年以内、運転資金は5年以内です。

新創業融資

新創業融資は無担保・無保証人で融資が受けられます。
融資額は750万円までに制限されます。

生活衛生貸付

生活衛生貸付には一般貸付と振興事業貸付の2種類があります。一般貸付は設備資金に、振興事業貸付は設備資金と運転資金の両方に利用可能です。

中小企業経営力強化

中小企業経営力強化資金は無担保・無保証人で7200万円以内の融資を低金利で受けることができます。

自治体が行っている制度融資は各地方公共団体によって融資内容や条件が異なりますので、該当する自治体の情報をよく確認する必要があります。いずれも自己資金ゼロで融資を受けることは難しいため、自己資金を少しでも多く貯金しておくことが融資を受けるために重要です。

まとめ

美容院開業に関する資金調達方法は多岐にわたります。

融資や補助金・助成金を利用し、自己資金の不足を補うようにしましょう。

審査の際は、美容師としての経験も重視されるので、経営者としての将来のプランニングをしっかりと行いながら、資金調達を進めていくことが大切です。

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