
美容師の休みはどうやって決めたらいいの?
美容師の仕事は、お客さま相手の接客業でもあることから、必然的に休日が少なくなります。特に土日祝日は集客も多く見込めるため、週末はなかなか休めないというサロンも多いのではないでしょうか?
しかし、美容師も一般的な会社員と同じく、休日を取る権利があります。
これまでサロンは、朝から晩までのハードな勤務形態が問題視されていたこともあり、次第に美容師の働き方は多様化してきました。その結果、連休を取得でき、リフレッシュ休暇を打ちだしているサロンも増えてきました。
本記事では美容師の休みの決め方について、労働基準法に基づき解説していきます。
美容師も会社員と同様に労働基準法が適用されます
美容師の勤務形態として、土日祝日は休めないサロンが多いようです。
しかし、美容師であってもサラリーマンと同じように「労働基準法」が適用されるため、法律で定められた休日を取る権利があります。
労働基準法では、以下のように休日の取り方を定めています。
・使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない
・使用者は労働者が6か月間継続勤務し、その6か月間の全労働日の8割以上を出勤した場合は、10日の有給休暇を与えなければならない
(出典:厚生労働省「労働時間・休日」)
実際の美容師の休日は、平均月に6日から7日で、土日祝日が休みのサラリーマンに比べると休日が少ないように感じます。
また、年末年始やゴールデンウイークなど、世間一般の連休においては休みを取ることが難しいのが現状でもあります。そのため「有休を取りたくても取れない」という悩みを抱えている美容師の方も少なくありません。
美容師の休みのモデルは「定休日+シフト休み」
美容師の休みで多いケースのひとつが「隔週2日休み」です。
隔週2日というのは、1週間で1日休みのときと、2日休みの時が交互にあるパターンです。
つまり、1か月で6日から7日が休日にあたります。
次に、最近のサロンで多いケースは「定休日+シフト休み」です。
一般的に多くのサロンでは「月曜日」が定休日とされていますが、その定休日に加えて、1週間のうちにもう1日休みのシフト希望が出せるというパターンです。
この場合「週休2日制」になるので、休日数は1か月で8日から9日となります。
しかし、どちらの場合においても、2連休や大型連休取れるかどうかはサロンによって異なります。
サロンはスタイリストのシフトをローテーションで回しているため、1人でも欠員が出ると仕事に大きな影響が出ます。そのため、「土日の連休は不可」「年末年始やゴールデンウィークは出勤」といったように、勤務ルールが定められているサロンもあります。
特に土曜日と日曜日、そして祝日は世間の休日であるため、美容院にとって最も稼ぎ時です。
一方で年末年始の休みについてはサロンによって異なります。着物の着付けをしているサロンでは、正月も休まず営業しているところもあります。
夏休みやお盆休みについては、設けているサロンも多くなってきていますが、世間の休日とはずらして設定されることが多く、美容師が順番に休みを取っていく形態となります。
有給においては、前もって申告をすることで自由に取れることが理想です。
しかし実際は、お店の繁忙期や指名の多い美容師などは、なかなか有給を取得しづらいというケースになっているようです。
有給を取ることで働きにくくなってしまう職場は、これからの時代にはそぐわなくなるでしょう。現在働くスタッフの意見も聞きながら、すべてのタッフが有休を消化できるように就業規則を見直しましょう。
連休の取得ができる環境が好まれる
美容師も法律的には取得できる休日数が定められているものの、やはり世間一般の大型連休にあわせて休むことや、自由に有給を取得することは難しい業界と言われています。
しかし、最近では美容業界だけでなくさまざまな業界が働き方改革に力を入れています。
サロンによっては「土日休み可能」「2連休取得可能」「有給取得を奨励する」といったように、美容師にとって快適な勤務形態を整えているところも増えてきています。
なかなか休めない美容業界だからこそ、連休が取得できる環境は好まれるでしょう。
さらに、大型連休にどうしても出勤してもらう必要がある場合、連休明けにはきちんとリフレッシュ休暇を与えることも重要です。
休日が取りづらくなるとプライベートが充実できず、働くモチベーションや健康維持にも影響してきます。最悪の場合、条件のよいサロンに転職してしまうというケースもあり得るので、美容師が無理なく快適に働けるシステムを整えてあげましょう。
まとめ
美容師の仕事は、ほかの職業に比べて休みが少ないという指摘が多くあがっていることも踏まえ、休日の取得システムについての改善が必要でしょう。
労働基準法で定められている日数を守るだけでなく、連休が取れ、有給が気兼ねなく取れる就業規則に見直してみてはいかがでしょうか。
美容師にとって、休日の取り方は働くサロンを選ぶうえで最も重要なポイントのひとつでもあります。
美容師が働きやすい環境を作ってあげることは、サロン経営者として重要な業務ですよね。