
スタッフに愛される美容院の作り方
美容院の経営を始めた人の多くが共通して悩むのは、人材の確保です。美容業界において、美容師の離職率は非常に高いです。人手不足になってしまうと、経営もままならなくなりますし、美容師とともに顧客も離れてしまう恐れがあります。そのため、美容師の定着率を高める必要があるのです。今回は、スタッフに愛される美容院の作り方をご紹介します。
目次[非表示]
- 1.美容師の離職率は80%!?離職率が高い理由
- 2.スタッフ定着率をアップする方法
- 2.1.・待遇の改善
- 2.2.・出産後の就業環境
- 2.3.・コミュニケーションの場
- 3.新卒採用・中途採用の施策
- 4.スタッフに愛される美容院は顧客にも愛される
- 5.まとめ
美容師の離職率は80%!?離職率が高い理由
美容学校を卒業して、美容院やサロンに就職した卒業生の半数近くが約1年で離職します。そして、3年後には8割以上が離職してしまうのです。なぜ、そんなに離職率が高いのかというと、主に次のような理由で辞めてしまう傾向です。
・手が荒れる
美容院で当たり前のように使われるヘアカラー剤やパーマ剤、シャンプーなどによって、乾燥により手荒れに悩まされます。重症化すると指が動かせなくなるほどになることもあるでしょう。
・長時間労働
一般的な就業時間に加えて、カットやヘアスタイルの技術練習を終業後に行うことで、長時間労働になりやすいです。
・ストレス
技術面の習得はもちろん、日々の接客対応に精神的なストレスを感じてしまう人がいます。
・収入
華やかなイメージのある美容師ですが、平均年収は280万前後と決して高くありません。もちろん、人気の美容師になれば、年収も跳ね上がるのですが、アシスタント時代に挫折する人も少なくないです。
・人間関係
店長やスタイリスト、スタッフ間でのいざこざなどによって、トラブルとなり辞めてしまうことがあります。
スタッフ定着率をアップする方法
スタッフの離職率を下げて定着率をアップさせるためには、スタッフが「ここでいつまでも働きたい!」といえるような美容院にすることが重要です。
・待遇の改善
もっとも重要なのは待遇の改善です。近隣の美容師の報酬相場より、少しだけ高くするだけでも効果があるでしょう。また、売上や指名数に応じた歩合を設けるなど、スタイリストががんばった分だけ収入を得ることができるような環境を整えると定着率が高くなります。また、美容業界では社会保険への加入率が非常に低いことから、社会保険へ加入するだけでも従業員の満足度を高めることができるでしょう。
・出産後の就業環境
出産後に働きづらくなって辞めてしまう女性美容師は非常に多い傾向です。そんなママさん美容師でも安心して働けるように、時短勤務を採用したり、日曜日休日を設けたりすることで、定着率を上げている美容院もあります。
・コミュニケーションの場
店舗運営をしていると、なかなか全員が集まる機会を取るのは難しいです。しかし、定期的に全員が集まる場を設けることで、スタッフ同士の団結力を高めることが期待できます。
新卒採用・中途採用の施策
長時間労働が蔓延しているのであれば、思い切ってスタッフを増やすことで、一人ひとりの負担を減らすことが期待できます。もちろん、固定経費が増加するため、経営者としては負担が大きくなるでしょう。しかし、将来的に離職率が高くなってしまうと、経営自体が困難になってしまう恐れがあります。
一定のコストを負担することにより、スタッフの負担を軽くすることができるでしょう。離職率を抑える効果があるのであれば、長期的にみるとデメリットとはいえません。採用の方法として、新卒採用と中途採用があります。新卒採用は、美容学校の学生の減少により、ライバル店舗との取り合いとなります。
単に就職サイトに掲載するだけではなく、合同説明会に参加するなど、積極的に学生を取りにいくようにしましょう。また、中途の採用の場合は、すでに何らかの不満を持って美容院を退職した人ばかりです。先にご紹介したような待遇改善を全面的にアピールすることで、即戦力の採用機会を伸ばすことが期待できます。
スタッフに愛される美容院は顧客にも愛される
スタッフから愛される美容院というのは、将来的に経営にもよい効果を与えます。スタッフに愛されない美容院は、定期的にスタイリストが退職することから、リピート客を逃してしまう要因にもなるでしょう。また、ディレクターやスタイリスト、アシスタントなどの人間関係が悪い美容院は、顧客が利用していても居心地が良いものではありません。
最初は、気に入って利用してくれていた顧客も、徐々に足を運ばなくなってしまうことでしょう。しかし、スタッフに愛されている美容院は、定着率の向上により、気に入ったスタイリストにお願いしたい顧客をがっちりと捕まえることができます。また、スタッフも生き生きとして笑顔があふれる店内になることから、利用していて居心地の良い空間になるでしょう。
雰囲気の良いお店というのは、顧客に伝わるものですから、徐々にリピート客が増加していき、顧客に愛される魅力的な美容院にすることも可能です。人気店にするためにも、スタッフを大事にできるお店づくりを目指していきましょう。
まとめ
美容業界の待遇や過酷な労働環境により、美容師の離職率は非常に高い割合となっています。多くの顧客に愛されるお店を目指すためには、まずスタッフに愛されるような美容院を作り上げる必要があります。今回ご紹介した方法の中には、コストアップをしてしまうものもありますが、長期的にみるとプラスに働くものばかりです。ぜひ、実践してスタッフに愛される美容院を目指しましょう。